手を動かす

園長コラム
 10月に入り涼しい 日が増えてきました。子ども達は運動会を終え、体の動きがよりダイナミックになってきました。縄跳び、ぽっくり等を楽しみ「できた」という達成感を味わったり、縦割りクラスでは、けいどろ、ドッチボール等、ルールのあるゲームを主体的に取り組んでいます。園庭各所に躍動的な子ども達の遊びスペースがあり、楽しそうな遊びを次々と展開しています。体力がつき、長時間遊びに没頭しています。先日他園の園長先生が来園されたときに、口をそろえてよく遊びますねと言ってくださいました。それだけ夢中になって遊ぶことができる嶺町幼稚園の子ども達を頼もしく思います。
 
 冬に近づくにつれて、嶺町幼稚園では織り機やボンボンづくりなど手先を使う活動が増えてきます。人間にとって指先はとても重要な感覚刺激の器官で、子どもの発達に大きな影響を与えると言われています。例えばあやとりは、全ての指を使って前後左右に曲げたり伸ばしたりひねったりと多彩な動きをする遊びです。指の器用性を養うだけでなく、友達の動きを観察して模倣することで記憶力が向上したり、複雑な形を作りあげることで集中力も身についていきます。二人あやとりでは、息を合わせたり声を掛け合って行うため、コミュニケーション力もつきます。みつろう粘土は、温めて柔らかくする、指をしっかりと使って形を作るなど、手全体を使う活動です。指先に意識を集中することで、繊細な作品が出来上がります。織り機やボンボンづくりは、毛糸の配色を自身の好みで選んだり、二本の毛糸をつなぎ結んだり、上下上下と交互に糸を紡んでいきます。
このように、嶺町幼稚園で行っている手先を使う体験は、子どもの成長にとって欠かせない多くのことを含んでいます。
 
シュタイナー教育における手仕事の意味として、
○自分の手が物を作る可能性を持ち、生活を豊かにしていくという体験を大切にしている
○間違えたら戻ってやり直し、最後まで仕上げることが、『意志』を育てていく
○作る過程で、本物の素材(毛糸、木工、陶芸など)に触れ、多様なアプローチ(織る、切る、打つ、こねる、縫うなど)から、豊かな感覚を養う
ことがあります。
 
冬場の内静した環境の中で、じっくりと丁寧に手仕事に取り組んでいきたいと思います。
園長 齊藤晴彦

2024年10月29日

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