1. 動ける子どもへの第一歩

動ける子どもへの第一歩

園長コラム
 先日年少の子が園庭で遊んでいるときに、自らピッチャーの水をコップに移して飲み、また遊びに戻っていきました。幼稚園では、定期的に子ども達に水分補給をするように伝えていますが、その子は先生に尋ねることなく、自らの意思で水分補給を行っていました。「のどが渇いたから水を飲みに行こう」と自分で判断し行動に移す姿に感心しました。
私たちは、子ども達が自分で考えて行動に移すことができる「自発性」を育ててあげたいと思っています。そのためには、「自発的に動きなさい」「もっと考えて行動しなさい」と『外的』にアプローチしても難しく、活動が「楽しい」「好き」と思える『内的』な理由が必要であり、そのためのきっかけ作りや習慣づけを大人が作ってあげることが大切です。
 
 では私たちは何をすればよいのでしょう。子ども達は、成長とともに行動範囲が広がり、興味の幅が広がっていきます。挑戦心も芽生え、やりたいことが増えてきます。その「やりたい」という気持ちをできるだけ見守ることです。心配のあまりストップをかけたり、先回りして対応してしまうこともあると思います。もちろん危険なことや周囲に迷惑をかけること、他人を傷つけることは止めるべきです。しかし、子どもにとって、小さな失敗や困難はつきものです。失敗が想像できたとしても、あえて挑戦するチャンスを作ってあげることも時には必要です。子どもは、失敗やトラブルを乗り越えることで思考力や判断力・行動力を育んでいきます。大人にとって些細なことに見えても、子どもは自分で決めたことをやり遂げることで成功体験になり、自信・自立心につながっていきます。
 そして、基本的な生活習慣の自立と社会のルール・マナーを教えることです。例えば、「重そうに見えるから」「まだ体も小さいから」という理由で、通園かばんを持ってあげたり、出発準備を全て行ってしまったりすることはありませんか。すべて子どもに、ということは難しいですが、できることを増やしていくことは大切です。身辺自立をすることで、できないことへの子ども自身の不満や、大人への依存などの不安が解消していきます。それは自発的に行動できるための近道です。また、ルール・マナーを知ることで、子どもは自由に遊べます。親も長時間子どもだけの活動を安心して見守れます。行動制限をかけられないまま長時間遊べると、遊びや友達との関係性も深まってきます。そのサイクルを作っていきたいですね。
 
 子どもの行動が、「大人に怒られないようにするため」になってしまうと、自発性を育む環境としてはあまりよくありません。私たち大人が意識して、自発的な行動のきっかけを作ってあげたいですね。
 
園長 齊藤晴彦

2024年6月27日

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