1. 集団遊びでの学び

集団遊びでの学び

園長コラム
 先日小学校1年生の先生方とお話しする機会がありました。学童期からみた幼稚園時代に培ってほしい力に、「友達と話し合って解決する体験を積み重ねること」、「自信を持って物事に取り組むこと」がありました。この体験は、日ごろの遊びの中で身に着けていく力です。仲間とぶつかることで、他者を見る目が育ち自己理解ができ、話し合いの力がついてくる。活動の面白 さを実感することで理解力や思考力がつき、表現力がついてくる。話し合いを重ねることで言語力や関係性のとり方を学んでいきます。夢中になって遊ぶ中に、多くの学びがあります。
 
 4月より花組では、食後の小さな時間に、時よりかくれんぼを行ってきました。室内で行うと、とても分かりやすく、どの子も楽しそうに主体的に行っていました。特に、クラスの仲間、先生と一緒に行うことに喜びを感じているようでした。年中・長児になって急に集団遊びを一緒に楽しみましょうと言っても、難しい子もいます。年少児から、簡単な集団遊びが楽しいと思える体験を積み重ねていくことが大切です。
 
 年中児になると、子ども達だけで遊ぶ時間が増えてきます。鬼ごっこや、山づくり、虫探しなど、面白そうなところへ集まる姿が多くみられます。遊びの中で子どもの立ち位置は様々ですが、共通ルールかなくては遊びは成立しません。教師が間に入りながら、ルールを守るからこそ遊びがより楽しくなる体験を積み重ねていきます。そこに年中児の集団活動の育ちがあります。
 
 そして年長児です。年長児は子どもだけで、話し合いながら目的に向かっての役割を担っていけるようになります。自己認識力が高まってきますから、集団遊びに興味はあるけれども、自信がなかったり、うまくいかないことを想像し、躊躇してしまう子も出てきます。私たちは失敗よりもまずは挑戦する気持ちが芽生えてほしいと思っています。うまくいかなくてもいいのです。遊びの中で「自分なりの楽しみ」を見つけられることが大切です。
 
 どんな年齢においても、子どもが自信がないときは、その子が参加できる方法を考え、挑戦心が芽生えるように教師が声をかけていきます。集団活動での学びは人それぞれ異なります。子ども達が自分流になりすぎないように配慮しながら、みんなが気持ちよく参加できる活動になるように、工夫して保育してまいります。
 
園長 齊藤晴彦

2024年5月28日

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