寒暖を繰り返し、少しずつ夏の訪れを感じます。気温の高い日は、子ども達はスモックに着替え、ダイナミックに水遊びを楽しんでいます。川づくりをしていた男児は、「その角度だと水が流れないよ」「僕が水を運んでくるから、そこの部分はお願いね」など、遊びがより楽しく展開できるように、役割分担をしながら遊んでいます。時には言い過ぎてしまうこともありますが、意見が飛び交うようになってきたことに、年長児のたくましさを感じます。そして仲間と一緒に遊びを作り上げた達成感は、団結心を強めます。新クラスの輪が深まってきたことをうれしく思います。
先週今週と、学年に分かれて年長児は「自分の好きなことで遊びこむ」時間を集中して作っています。この時間は、子どもと担任が相談し、各々作りたいもの、やりたいことを数日かけて行っていきます。仲間と一緒に行うことにとらわれず、個人がやりたいことをやりきることにねらいをおきます。お店を作りたい子は、板やついたて、丸太などを使い、お店のベースを作るところから始め、商品をくるみやドングリなどで見立てます。そして、より豊かな商品が提供できるように、必要な資材を担任と相談し用意します。紙やのり以外にも折り紙や紙皿など次々とアイデアが浮かんできます。子ども達の出したアイデアをできるだけ実現できるようにしていきます。他にも、キャンプごっこでは、「テントを布で作ろう」「3段ベッドがテントにあると面白いね」、恐竜博物館では、「図鑑で恐竜の形を確認してこよう」、新幹線の走る街では、「ついたてをホームドアにしよう」「電車には行き先を書いた方がいいね」など、自然と意見が出てきます。やりたいことに没頭することで、主体的なアイデアが生まれ、子ども達の創作意欲を掻き立てます。イメージを具体化する年長児らしい活動です。数日かけて遊びが完成したら、年中児を招待します。そして一緒に遊び、楽しさを共有します。
このような体験を積み重ね、子ども達の中に少しずつ具体的に表現する力が育っていきます。そして3学期のダンボールの家作りでは、自らのアイデアを仲間に伝え、今度は仲間の知恵が加わることで、より面白いものができると活動を通して実感できるようになります。そこに喜びも感じられるようになります。
没頭して一人遊びをする時間を見守り、時には提案し、子ども達と対話しながら発展していく遊びの時間を大切にしていきたいですね。
園長 齊藤晴彦