雪が降ったり、北風の冷たい2月でしたが、庭の梅が少しづつ花開き、土手散歩ではオオイヌノフグリを見つけ春の訪れを感じられる季節となりました。
年長児は「けやき」「さくら」グループに分かれ、1週間お家作りを行いました。今年は、思い切って園庭の砦を囲う様にダイナミックに、4つのグループがダンボールハウスを作っていきます。始めはなかなかイメージが湧かず、家の中のどんなものを作ろうか悩んでいた子も、友だちと話し合ったり、大小様々な大きさの廃材を見て触れていくと「自分はこれを作りたい」とはっきりしたものが見えてきました。さて、子どもたちの体くらいの大きなダンボール。繋げる事も穴を開ける事も一苦労です。動かないように固定したり、箱を押さえてあげたり、自然に子ども同士で手を貸しあう姿に、目標に向かって助け合える年長らしさを感じました。
一人で黙々と作っていた子も、他のグループの見学をすると「私の家には〜がないから、〜ちゃん一緒に作ろう!」と刺激を受け誘う姿もありました。一人一人の子どもたちの家のイメージは、それぞれのご家庭の生活感で溢れています。「掃除機は、みんなが掃除しやすいようにここに置く」「うちの家族はホットプレートをよく使うから、テーブルに鉄板をつける」「ソーラーパネルをつけて節電する」…など。それぞれの世界を仲間たちと存分に表現しあいやりきった達成感があったことと思います。
そして、近頃の年長児たちの園庭遊びと言ったらやはり「ドッチボール」。僕も入れて〜!とクラス関係なく仲間が次第に増えていきます。はじめは、教師が声かけをしながら公平な人数、力具合で分けていたチーム決めも今では、子ども同士で相談し皆が納得できる様になりました。当たるのが少し怖かったり、私は見てる…と遠慮がちだった子も逃げる楽しさを覚えたり、一歩踏み出してボールを投げることが面白くなってきました。
わずか一週間の年齢別活動でしたが、それぞれが就学に向けて確実な手応えを感じ、大きな自信に繋がったと思います。
小学校進学まで残りわずかとなりますが、成長した子どもたちに必要な関わりを一層意識して過ごして参ります。
年長児担当 加納みのり
寒さの中にも少しずつ暖かな日差しの中で園庭の梅の花も蕾から徐々に花を咲かせて春の訪れを感じます。
さて、年中の年齢別活動は、自由遊びを中心に友達遊びを深めることを意識しました。年中児は特にごっこ遊びがとても豊かになります。一人遊びから少しずつ友だち遊びになり、仲間の刺激を受けながら見立て遊びや自分の想像の世界を広げていきます。
遊びでは、ホテルごっこやレストラン屋さん、天井のフックから紐と滑車を吊り下げ紐にカゴを通してお人形や動物たちを乗せてロープウェイをつくり、遊園地ごっこや衝立で布を張ってキャンプごっこなど、、子どもたちが思い思いに遊びを広げて楽しみました。
そんな年中児にあった活動として「お店やさんごっこ」をテーマにして赤色さんと海組さんを招待しました。どんぐりグループでは前日に八百屋さんと花屋さんをつくりました。野菜は新聞と折り紙で作りました。トマトだったら丸く、ナスやニンジンでしたら少し細長く、長ネギなら縦に長く細く、、野菜を思い浮かべながら形を整えていきました。手が慣れてくると新聞を大きく丸めてキャベツに見立てたり、「トマトは黄色や緑のもあるね〜」と新たに手が進んでいきたくさんの種類と数が出来あがりました。花屋さんでは、花紙を使いました。蛇腹折りにして一枚ずつ花びらを広げていきます。薄い紙なので力の加減を調整しながら丁寧に作っていきました。最初は難しい子もできる子にコツを教えてもらいながら「そういうことか!」と理解して自分自身で作りあげ、とてもうれしそうでした。
さて当日の開店日では今か今かとお客さんが来るのを楽しみに待っていました。品物を綺麗に並べたり、チケットを受け取る係、品物を渡す係など子どもたちだけで話し合い役割を決めました。お客さんが来ると「いらっしゃいませー!」「オススメはこちらですよー」と張り切って迎えていました。どんどん品物が売り切れていく嬉しさもあり終わった後は達成感が溢れていました。
こうした活動が子どもたちの経験に積み重なっていき、ますます充実した遊びへと繋がっていくのだと改めて感じることができました。
まもなく三月が始まります。再びクラスへと戻り一人一人の好きなこと得意なことを伸ばしていけるよう日々の保育に努めていきたいと思っております。
どんぐりグループ担当 片桐 かんな
2月のある日、虹組のロフトの下に小部屋があるのですが、そこに子どもたちが次々入っていくと、ある子が言いました。「てぶくろはぎゅうぎゅうづめです!」その声をうけて私が「だーれ?てぶくろにすんでいるのは」と聞いてみると「はやあしうさぎだ」「のっそりぐまだ」と答えてくれました。その後クラスの子 皆が中に入り、てぶくろがぎゅうぎゅうづめになるあそびに発展していき、その遊びはその後も一週間継続されました。1月当初に語った「てぶくろ」のお話がこのように表現あそびになっていく様子に驚き、子どもたちの心の中でより彩り豊かに生きていることに感動した出来事でした。
子どもたちはメルヘン(おはなし)の時間が大好きです。
年少児クラスでは、入園当初 小人や動物の人形を使った短いお話から語りました。外遊びや散歩後に入室して小さなサークルになり、♫おはなし おはなし はじまるよー どーんな どんな はなしかなー の歌からお話の世界に入っていきます。
子どもたちは、人形の動きを「見る」ことに集中し(すると自然と口を閉じます)教師の語りに耳を傾け、心静かな時を持ちます。
6月頃より「大きなかぶ」のような繰り返しの単純なお話を人形がなくても素話で聞けるようになりました。夏以降は日本の昔話やグリム童話から、季節に合った物や祝祭に関連するようなメルヘンを選び語りました。
運動会明けは、年少児にとっても大きな変化が見られる時期となりますが、
「ハンスとりんごの種」の長いメルヘンも集中して聞く力が育ってきました。
クラスでは一つのメルヘンを2週間程語ります。1週目は言葉がところどころ残っていくような聞き方ですが、2週目からはお話を想像しながら聞く表情に変化していきます。特に年少児はぼんやりとした雰囲気でメルヘンの世界に入りこんでいる様子が見られて、その心地良さを大切にしています。
4月当初、不安や緊張で一杯だった子どもたちがクラスで友だち・先生と出会い、出来ることが増えてどのお子さんも安定した心持ちで園生活を送ることができるようになりました。その自信を年中に繋げられるよう残り僅かな日々、心をこめて保育を行ってまいりたいと思います。
虹組 担任 川井 美登里