学園長コラム

園長コラム
1学期の最終月を迎える頃となりました。
4月の新入・進級から、子ども達は月を重ねるごとに新しい環境に慣れてきました。
 
園生活の積み重ね
子ども達の成長を喜ばしく思うと共に、あらためて、園生活の繰り返しが積み重なり
幼児期の「発達の基礎」が身に付いていく大切さを感じます。
今年度春から私はクラスに入る機会が増え子どもの日常の姿に接し、たのしくもあり、多くの学びがあります。そのひとつとして、2階テラスで毎朝迎えている子ども達の日々の変化をお伝えします。担任の待つ保育室に入るまでの5分ほどの習慣ですが、毎日の積み重ねが子どもの成長につながってきています。
 
登園時の様子から
4月、2階の子ども達は保護者とテラスに上がり、保育室の入り口まで一緒に来てもらっていました。まもなく、慣れている年長児保護者の方が徐々に階段下で子どもを送り出してくださるようになりました。そして、年中児保護者の方には5月連休後に、テラスには上がらず見送っていただくように私からお願いしました。
 
2階は1階に比べてテラスが狭く、子どもだけになったことで動きやすくなってきました。間口の狭い入り口で外靴を脱ぎ、外靴を持って下駄箱に行き、上履きを履き、手を洗い、保育室に向かいます。月曜日には籠に上履き袋を入れ、雨が降っていればレインコートをハンガーにかけます。ひとつひとつの動作は出来ていても、滞りなく連続して行えるようになるのに年中児は1か月くらいかかったかもしれません。さすがに年長児は、友達とおしゃべりをしながらでも体は動き、楽々と保育室に入っていきます。
 
子どもは出来るようになる
当初、私は具体的に言葉をかけ手をかし、徐々に変えていきました。例えば・・・、
例えば、(靴を脱ぐ場所で)「ここが空いているよ」→「空いている所を探してごらん」→「混んでいるから立って脱げる人はそのまま脱いでね」→
(テラスで)「混んでいたら隙間を見つけて通るよ」→「“通ります”って言うと良いよ」
そして、ある時期から、言葉や手助けを控えていきました。子ども達が自分で判断し落ち着いて動けるようになってきたからです。一通りの行為にかかる時間はそれぞれですが、ふざけていなければ、見守ります。「早く」と言わなくても子ども達は担任のもとに行きたい・遊びたいわけですから、自然と前に進みます。そしてよく観ていますと、そこに子どもだけの世界があります。わからなければ傍にいる子を見たり・聞いていたり、泣いてきた友達にやさしく声をかけている男の子や置き忘れた水筒を自分で気が付いてもどって来る女の子、手を洗いながら遊ぶ約束をしている3人・・・。生き生きとした表情があります。
子ども達は保護者から離れ、身支度をしながら身体や心のスイッチが入り、自分で創り出す「自由遊び」に取り組みやすくなっているはずです。
 
子どもが動けるように
おととしまで、保護者の皆様に保育室まで入室していただいたのには、当園の意図がありました。その良さをわかっていながらも、今の子ども達にはこのような登園の仕方が必要なのかもしれません。現代的に大人が幼児のペースに合わせるのが難しくなり、大人の言葉かけが多くなりがちです。子どもが指示に慣れすぎると、自分でやろうとする意識が萎えているようにも見えます。
幼児が安心のもとで、自分の目や耳で確認し判断し動けると満足し自信につながります。
そしてそれは決して大それたことではなく、「遊び」であり「生活」です。
 
 幼児に向き合う大人の立ち位置を考察すれば、導き(気づかせ・やって見せ)、手助けをし、見守るといった過程を意識すると、子どもの手で出来ること・任せられことが確実に増えていきます。心の成長においても、導き、応援し、見守るといった過程に置き換えられますね。
 
 凧は手元の糸を少しずつ離しながら、空高く舞い上がっていきます。
子ども達はこれから、小学校・中学校・・・と家庭の外の世界を広げていきます。
乳幼児期に親子の信頼関係を太く紡ぎながら、身近なことから子どもの「自分で出来る」を増やしていきましょう。
 
学園長  手 塚 映 子

2021年6月25日

< 6/12 幼稚園説明会 延期のお知らせ  |  一覧へ戻る  |  2021.6.25 >

< 前ページ  |  一覧へ戻る  |  次ページ >

最近の画像

このページのトップへ

このページのトップへ

動画説明会申込フォーム