冬らしい寒さの中、子どもたちは北風に吹かれながら週2-3回散歩に出かけます。 秋頃から歩く距離を延ばし、1時間半程、ガス橋までのコースや多摩川方向コース等、土手の草原の坂道、砂利道等起伏のある所を探して歩き、運動量を増やしてきました。
土手までは年中長で手を繋ぎ、土手に入ったら自由に歩きます。
大木の根がトンネル状になっている所を見つけては、そこを一列になって通ったり、三角のわらのお家のようになっている所を覗いてみたり、様々な発見があります。
「ここは、こびとがすんでいるんじゃないー?」「そーだねー!」「虫のおうちかもよー」 自然は子どものファンタジーの力を引き出してくれます。
夏は、枯れ草の下にバッタが潜んでいるのを見つけて捕まえては皆に配る子がいたり、つる科の植物のつるを「びよん びよん」と名付けて大量に集め、ままごとのごちそうにしている子、せみの鳴き声を聞いて「これはアブラゼミ」「これはひぐらし」…と皆に教えてくれる男の子もいました。
秋は、大きな胡桃の木の下で落下したくるみを集めて園で干し、洗って角を取り蜜蝋で磨き、空組のおもちゃの仲間入りをしました。
すすきや背高泡立草と背比べ、どんぐり木の実拾い、「チョコレート」と呼ばれている土留めの所で、何段目からジャンプできるかを競う遊びでは、年長児に負けまいと頑張る年中男児がいました。
3学期になり、散歩の帰りは「大根掘りをしよう!」と子どもたちは張りきっています。 硬い土の所は、なかなか抜けず、子どもたちが繋がって(大きなかぶのように)うんとこしょ、どっこいしょと大根ぬきが始まります。「なかなかぬけないよー、てつだってー」
4人から8人程繋がり、力いっぱい抜いていました。「誰のが長いかな」「前より太くて長いね」「雨が降ると抜きやすいんだね」友だちとの会話から気づく事もあるようです。
今年度は6月から保育が始まり、散歩に行き始めた当初は「疲れたー」と言う子が数名いました。 現在は、体力がつき、手足が丈夫になり、散歩が楽しみになりました。〔活動前は、体操、ストレッチを充分に行っています〕
歩くことは呼吸、循環機能によいですし、舗装されていないでこぼこな地面をバランスをとって歩くと、運動能力や脳の処理能力が発達します。 リズミカルな動きは、生きていく力、忍耐力、心の安らぎをもたらします。
今日はどんな発見があるかな?と、私も子どもたちと心踊らせる大切な活動です。
空組 担任 川井 美登里