秋空が高く澄み渡り、さわやかな気分を満喫できる季節となりました。
土手の散歩でも蜻蛉、蟋蟀、バッタなどの虫たちとの出会いも増え、深まる秋を感じております。
夏休みを終え、2学期が始まって1ヶ月。
園生活の感覚を体で取り戻し、友だちや教師と存分に遊びを楽しんでいます。
心地よい日々のリズムを体得した子どもたち。
生活、遊びの中でそれぞれの自発性が見られるようになってきました。部屋遊び後の片付けでは、「私はこの皿。僕は木の板。」「この布は先生とたたむ!」「私は、しまう場所をこの子に教えてあげる!」「椅子を並べるのは僕に任せて!」などクラスの中で無意識のうちに役割が出てくるのもこの時期の面白さです。遊びにおいても、一人遊びの中で十分に自分の世界を実現し満たされたものを、気の合う友だちと共有したいという欲求が出てきました。そして、友だちとの関わりの中には、同じ気持ちを味わえる喜びもあれば、違った思い、遊びの方向性でぶつかることもあります。そうした経験を毎日積み重ねていくことで相手を知り、新たなアイデアがお互いに生まれ、遊びがさらに創造的に発展していきます。大人の目線ではなく、子ども同士で感覚的に相手を捉えていくことは、遊びの中でこそ叶えられるものだと思います。じっくり時間をかけ、必要に応じた大人の入り方、子ども同士の関わりを大切にしていきたいです。
そして、週に1回の水彩の活動の中でも個性が表出されています。
1学期に黄、赤、青の1色を使い、色の美しさを楽しむところから始まり、今は2色で描いています。
力強い色、柔らかく優しい色、色を分けて描きたい子、ゆっくりと滲ませていく子、繊細なタッチで色をのせていく子、ダイナミックに勢いのある子。
内面的に持つ『その子らしさ』が現れ、仕上がりを子どもたちと眺めながらそれぞれの作品の特性を感じるのも、まどろんだ世界観の中で行われる豊かなクラスのひと時です。
12月頃には3色を使っていきますので、またさらに一人一人に広がりや膨らみが出てくるのでしょうね。
さて、2学期になりぐんと大きくなり、しなやかになってきた体。動きのある遊びもよりダイナミックになってきました。生い茂る草道や傾斜のある道を生き生きと駆け回ったり、蜻蛉を力いっぱいに追いかけたり、友だちや教師を捕まえるまで走り抜ける追いかけっこや階段の上から木の枝に届くようにジャンプをしたり。少しくらい転んでも自分の力で起き上がります。自然の中で気持ちも逞しくなりました。園庭での巧技台や跳び箱を使った運動会ごっこにも意欲的に取り組んでいます。今年は体育的のプログラムの中に、少し繊細な動きも入れてみました。それは、「膝を曲げる」という動作なのですが、単純な動きのように見え、思った以上に難しくその動きを自分のものにするのに時間が掛かった子もいました。日常の中で膝を曲げて物を取ったり、置いたりする動きは、体を楽な使い方をしていたら使わない部分です。安易な方に流れるのでなく、少し高度な動き。私たち大人も意識して行っていきたいですね。
明日はいよいよ運動会です。子どもたちは、全身全霊で駆け抜け、一段と成長した逞しい姿を見せてくれる事と思います。保護者の皆様の声援は子どもたちの大きな力となります。緊張した姿や思うようにできない場面でも、暖かい拍手で後押ししていただけると幸いです。みんなの心に尊く残る一日となるよう、職員一同力を合わせ努めて参ります。
虹組担任 加納みのり