金木犀の甘く爽やかな香りが漂い、秋を感じる季節となって参りました。
先日の運動会では、沢山の保護者の方にご協力いただきましてありがとうございました。
おかげで、子どもたちは日頃の運動遊びの力を伸びやかに発揮し、大人も子どももハツラツと気持ちの良い汗をかきましたね。
さて、4月に入園した年少児ですが、初めて園以外での大きな場所での行事となりました。ご家族の方に温かく見守られながら堂々と楽しんで取り組んでいたのが印象的でした。
友だちよりも速く走る!と小さいながらに目標を掲げていた子。大好きな友だちと居られることがとにかく嬉しくて出番がくるまでずっと歌を歌いながらはしゃいでいた子。緊張があったものの、いざかけっこが始まると表情をきりっと変え颯爽と駆け抜けて行った子。身体と気持ちの面で少し大きくなった姿を見ながら、幼稚園という集団の環境の中、一人一人がしっかりと『自分』という根を張って過ごしていることを実感できた一日にもなりました。
最近の遊びでは、日頃の暮らしでの経験を保育室にある玩具を工夫して使い、より豊かに表現しながら楽しめるようになってきました。大きなクリップを上手にひもで頭に巻きつけ歯医者さんのヘッドライトに見立て、友だちの虫歯を治してあげたり、椅子を沢山並べては待合室を作ってみたり。キャンプごっこで小さな枝を沢山集め焚き火に見立て、その後は枝の先に羊毛を細く巻きつけマシュマロに見立て、焚き火で溶かして見たり。以前よりも、ぐんと子どものイメージがより具体的になってきている事を感じています。また、防災の日の後には、消防士さんごっこで盛り上がる様子がいろんなクラスで見られ、外遊びではボールを教師や友だちとパスしながらラグビーごっこもしています。
普段の生活で子どもたちは、何気なく五感で様々なものを感じ吸収し、それを遊びで豊かに表現し想像しながら創り上げていく姿には、本当に毎日感動と発見があります。私たち大人も、ボタンひとつでお買い物やお掃除が済んでしまう現在ですが、子どもの前ではなるべく「見る、触れる、感じる」経験のできる生活を意識し子どもの遊びのエッセンスをより増やしていけるといいなと思います。
そして、イメージが具体的になってくると友だちとのぶつかり合いも増えてきます。大人は子どもの気持ちをうまく汲み取りながら関わることが出来ますが、子ども同士ではそうはいきませんね。相手を受け入れるべき場面、ここは自分が主張すべき場面というのをじっくりと遊びを通し学んでいます。遊びの積み重ねの中で、「昨日は~くん、この衝立を使わせてくれなかったけど、今日は貸してくれた。今日は私がこの椅子を~くんに貸してあげよう」といった相手を思う気持ちが育まれていきます。教師が介入し折り合いをつけていくこともあれば、傍で見守っているとさっきまでのいざこざが嘘の様に子ども同士で解決の糸口が見つかったり、より良いアイデアが生まれる事もあります。
一日、一日の子どもの表情、気持ちの変化、友だちとの関係性をよく観察しながら今後も関わっていきたいです。
花組担任 加納みのり