園庭のバラの木に鮮やかな花が咲き始めました。空を見上げれば、陽射しや雲から夏の足音さえ感じられる今日この頃です。
おひさまのもと、伸び伸びと遊ぶ子どもたち。年中さんもたてわりクラスに馴染み、大好きな友だちや憧れの年長さんと一緒に鬼ごっこをしたり、砂場で大きな池を作ったり、ままごとを楽しむ姿が窺えます。
そんな園庭では、いよいよ砦遊びが始まりました。昨年度から徐々に出来上がっていく砦を見ては、「いつから遊べる?」という声があがったり、「ここのネジは僕が手伝ったんだよ!」と誇らしげに話してくれる子もいたり、出来上がりまでの様子をそれぞれの心で感じ、楽しみにしてきました。いよいよ「今日から砦で遊べます。」と伝えた時には、まるでヒマワリのような満面の笑みが咲き誇りました。ボルダリングに夢中になったり、縄を伝って下りたり、ぐらつくネットの上でバランスをとっていたり…。砦では、普段の生活ではあまりない身体の使い方が必要です。最初はうまく出来なくても、「もう一回やってみよう!」と何度も挑戦します。この挑戦心こそ、砦の完成を心待ちにしていたあの日々が育んだ宝物で、そして上手く出来た時、心からの「やったー!」が聞こえてきます。
年中さんは「頑張って登ってみたけど、下りるのが怖くて出来ない…。」という姿もありました。その度に年長さんから「ここに手をついてごらん?」
「縄につかまって、後ろ向きで下りるんだよ!」等の声がかかります。そして年長さんのアドバイス通りにやってみたら「一人で下りられた!」ととても喜び、二度三度と繰り返し楽しみました。
年長さんは友達同士でボルダリングのコツを伝えあったり、砦の下階部分の窓を使ってお店屋さんごっこをしたり、どんどん自分たちで砦遊びを広げています。そして鉄棒側の縄のみで下りるところでは、下に友達はいないか確認したり、「先に通っていいよ!」と声を掛けあったりする姿も見られるようになりました。
砦では、思い切り全身を使って遊ぶだけでなく、こうした内面の成長も感じることが出来ます。大好きなお父様お母様と共に築き上げ、完成を見守り続けた砦も子どもたちをあたたかく受け入れ、その成長を喜んでいるようです。これからもたくさん遊びながら、子どもたちの心と身体のしなやかな成長の背中を押していきたいと思います。
光組担任 山田 佳澄