リオオリンピックに沸いた今年の夏休み。プレイルームに来ていた子どもたちがおもちゃの車を走らせながら、「1番速かった車が金メダルね!その次は銀メダル!」と、メダルの色で順位を表現していました。「日本の選手がメダルを取って歓喜する姿や、今までの努力空しく破れ涙する姿は子どもたちの目にどの様に映っていたのだろう…。」と考えています。
夏休み中プレイルームには、たくさんの子どもたちが遊びに着てくれました。クラスも学年も隔たりなく一緒に遊べるプレイルーム。一緒に遊ぶなかで、自然と助け合う姿が覗えます。年少さんが困っていると年長さんが「どうしたの?」と優しく声をかけたり、時には手を引きながらトイレへ連れて行ってあげたりしています。そんな年長さんの姿をじっと見ている年中さん。年長さんがいないと「藤色さんがいないから、僕が折り紙折ってあげる。」「赤色さんが泣いちゃったら私のハンカチで拭いてあげるの。」と、頼もしさを感じます。そんな愛情に包まれた年少さんは、「藤色のお兄さんがよく飛ぶ飛行機を作ってくれた!」と宝物をもらった様に喜んだり、「昨日遊んだ桃色さんのお姉ちゃんは?」と心の拠り所にしたりして、お兄さん・お姉さんと一緒に遊ぶ楽しさ、心地よさを味わっています。賑やかであたたかなプレイルームで過ごす一日が私にとっても楽しい夏の思い出となりました。
そんなプレイルームで、子どもたちが特に熱中した遊びの一つが《色水作り》です。園庭にオシロイバナの花がたくさん咲いていた夏。夏休みに入り、静けさの増す園庭で「早く一緒に遊びたいよ~。」と言わんばかりに首をもたげるオシロイバナの花弁。そのオシロイバナの越えに応えるように子どもたちが夢中で駆け寄ります。「お花の先っぽがツンツンしているのはこれから咲くお花だから、先っぽがクルンって丸まっているものを使いましょう。」とつたえると、指先で花弁の先を突き、「これはツンツンしてないから大丈夫!」と確認したり、「葉っぱの下から見たほうが、クルンのお花が見つかるよ!」と視線を変えてみたり、夢中になって探しました。中にはオシロイバナの花をメインに「この赤い花弁を入れたらどうなるかなぁ。」「こっちの葉っぱも入れてみよう!」とアレンジする子も。
水の量と花の色素によって唯一無二の色が出来上がる色水遊び。出来上がった色水を太陽の光に透かし、目を輝かせている子どもたちの表情はとても穏やかで満足感にあふれるものでした。しかし色水は翌日には色が濁ってしまうほどの刹那的な美しさです。そんな色の移り変わりもまた、“もう一度やってみたい!”という気持ちに書き立てる魅力なのでしょう。
日々メンバーが変わるプレイルームですが、色水遊びのように子どもたちの輝きの瞬間を大切に、笑顔で「今日も幼稚園楽しかった!」と返れるように2学期も過ごしてまいります。夏のパワーを追い風に、実りある日々になりますように。
プレイルーム担当 山田 佳澄
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