6月は梅雨らしく、雨の多い日々となりました。小雨の日には、レインコートを着て、雨散歩へ出かけ、長靴で水たまりに入って水の感触を楽しんだり、雨粒がきらきら光る蜘蛛の巣を見つけたり、最近あまり見かけなくなった“かたつむり”を葉っぱの裏から見つけるなど、季節を体感して過ごしてまいりました。それと同時に、雨足の強い日には、室内にコーナーを作り、紫陽花をイメージして折り紙で貼り絵をしたり、紐の駒回しの練習に打ち込むなど、じっくり室内遊びを楽しみました。なかでもこの梅雨の時期に子ども達の興味が大きく広がったものだ、蜜蝋粘土あそびでした。
蜜蝋粘土とは、、蜜蝋が主成分のカラフルに色づけされた粘土で、常温では硬く、手の平の熱で温めて柔らかくしてから使用します。また冷えると固まりますが、天然の抗菌作用もあり、何度でも手で温め、再び形作ることができます。6月は、気温も少しずつ上昇し、子供の手の中で、ほどよい時間握っていればすぐに柔らかくなり、“蜜蝋粘土を形にしていく”のにとても良い時期となりました。
初めのうちは、「柔らかくならない」とすぐに興味が逸れてしまうこともあり、そういった子には、「一緒に歌をうたう間、手の中に入れておこう」と誘ったり、担任が柔らかくしてすぐに遊びだせるようにしたり、簡単に形作れる「ひよこ」や「ねずみ」などを作って見せたりします。
また、柔らかくできても、その先、丸めただけの「ボール」や、細く伸ばしただけの「へび」と、単純な形を作るに留まっている場合には、薄く伸ばした粘土を「ドレス」に見立て、その子が丸めた「ボール」を顔としてのせ、伸ばした「へび」を手足としてつけて、“ドレスを着た女の子”を一緒に作ってみました。そのうちに、「じっと手の中に入れておく方がすぐに柔らかくなるよ」とコツを発見する子が出てきたり、自分から「ひよこの作り方教えて」と柔らかくした粘土を持ってきたり、見よう見まねで作り始める子も増えていきました。そして、“ドレスを着た女の子”のスカートの裾を指のサイズに合わせて縮めて指人形にして遊んだり、いろんな色を混ぜ合わせて新しい色の発見を楽しんだり、その色から「魚みたい」とイメージを膨らませ、「金魚」を作るなど、自由な発想が満ち溢れ、蜜蝋粘土遊びを満喫できるようになっていきました。
この蜜蝋粘土遊びを通し、子どもの活動に対する反応を見極め、大人が段階を踏んだ対応をしながら共に楽しむことが、子どもの活動への興味を広げる手助けになるのだと改めて感じました。
天気の良い7月に入ると、鬼ごっこなど遊びが盛んになります。担任が仲間に入り、子ども達の様々な興味を広げていくと共に、発達に適したルールを提案して一緒に守るなど、成長を視野に入れたかかわりを持つことを大切にしていきます。
子どもが打ち込める活動が増え、心も体もさらに成長していくことを楽しみにしています。
空組担任 伊藤奈津子
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