暖かな日差しと、爽やかな風が吹く、春らしい陽気になってきました。お母さんと離れて、何をするにも初めてづくしの赤色さん。新しいクラス、新しい先生、新しい友達、新しいことにドキドキワクワクしている桃色さん。テーブルの片付け、お弁当のお茶当番、藤色さんだけの特別なお手伝い。憧れだった藤色さんになって、嬉しい気持ちでいっぱいの藤色さん。入園、進級を迎えて、成長の喜びを子どもたち一人一人の身体から感じます。
この時期の年少児は、幼稚園ではどんなことをするのか、知ることから始まります。朝の支度、室内遊び、片付け、朝のサークル、トイレ、外遊び、おやつ、お帰りのサークル。毎日同じリズムで生活することで、子どもたちは体験を通して生活の流れ、リズムを知っていきます。
それと同時に、繰り返される毎日の生活の中で、自分の手で自分の身の回りのことをすることを1年かけて習得していきます。これまでだったら、何も言わなくても手を洗えば、お母さんがさっとタオルを出してくれていた生活から、自分のポケットから自分でハンカチを出して手を拭いて、またポケットにしまう。そうした一連の動作を習慣として当たり前に自分でできるようにしていきます。入園当初は、手を洗ってまだ濡れている子に、まず『ハンカチ持ってる?』と聞きます。ポケットにハンカチが入っていても、それを出して拭く習慣がなかったり、ポケットに入っていることを忘れていて『無い』と答える子も多いです。ハンカチがポケットに入っているのが分かれば、それを触って『ここにあるんじゃない?』と声を掛けたり、本当に持っていない子には、保育者が自分が持っているハンカチを貸して、それで手を拭くようにしています。
1日の生活の中では、トイレに行った後、外遊びの後、何度も手を洗う場面がありますが、その度にこれを繰り返します。何度も何度も繰り返すうちに、手を洗った後に手を拭くことが当たり前の習慣になっていき、逆に手が濡れていると気持ちが悪いと感じるようになるでしょう。
トイレに行った後にシャツをお腹にしまう。鼻水が、出たらテッシュで鼻をかむ。服が汚れたら、お着替え袋の中から必要なものだけ出して、着替え、汚れたものはビニール袋に入れる。年少児のときには保育者に手伝ってもらってやっていたことでも、年中児では保育者に何も言われなくても出来る。年長児では自分ひとりの時でも当たり前にできることを目指すと良いでしょう。
花組担任 青木綾子