2 月も下旬になりましたが、北風の冷たい日が続いています。
そんな中、保育室のヒヤシンスの花が咲き、少しずつ春の訪れを感じる季節となってきました。2 月に入り、年齢別活動が3 週間に渡って行われました。
年長児の大きな活動の一つに「ダンボールの家づくり」があります。子ども達はこの活動をとても楽しみにしており、喜んで取り組んでいました。1 グループ6~7 人、3 つのグループの家が並びました。各グループに分かれ、家の中にはどんなものを置こうか…作るものが決まると、どの材料を使おうか…と仲間と相談しながら進めてまいりました。しかし、作り始めたばかりの頃は、「先生、作って。やって。」という声がたくさんありました。そんな時は、「一緒に作ってみよう」と子ども達のアイデアに耳を傾けながら、手伝うという姿勢で向き合ってきました。すると、徐々に「こうしてみよう」「こうするときっと丈夫になる」「先生、ここを押さえていて」という声に変わってきたことがはっきりと分かりました。時には私が、子どもの傍らで、空き箱やトイレットペーパーの芯を使ってお鍋を作っていると、同じように作ってみる子どもや、両面テープやカッターなどの道具の使い方に興味を持ち、挑戦する子どもの姿もありました。そんな子どもたちと過ごしていますと、私たち大人は、子ども達へ様々なきっかけを与えるとても大切な存在だということを、改めて実感いたしました。特に年長のこの時期になりますと、「大人のようになりたい」という憧れが強くなります。言葉でのやりとりや、子ども達が視覚で学べるような大人の行動など、これからも様々な角度からの援助を心がけていきたいと思います。
年齢別活動の最後の週に入ると、グループの仲もより深まり、「仲間と協力する」という姿が多くみられました。「僕がダンボールをつなげていくから、ガムテープを切って渡してね」「ダンボールを切るには力がいるから、途中で交代しよう」など役割分担をしたり、互いをおもいやる言葉が行き交うことがたくさんありました。そして、協力して作り上げたときの子ども達の顔は、とても頼もしく、達成感に満ち溢れていました。
桃色さん、赤色さんもダンボールの家に遊びに来てくれ、一緒に楽しい時間を過ごしました。たくさんのダンボール、資材のご協力があり、充実したダンボールの家づくりを行うことができました。ありがとうございました。
藤色さんにとっては、残りわずかな幼稚園生活となりました。
子ども達は、3 年間の集団生活の中で小さなひとつひとつの体験を通して、社会性や他者を感じる気持ちが育ってきたように感じます。これから子どもたちは、小学校でますます友達とのかかわりの中でたくさんのことを学び合い、大きくなっていくことでしょう。
藤色さんと過ごす残りの日々を、大切に過ごしていきたいと思います。
年長児担当 本居礼子