2012.11.30

担任コラム

 澄んだ青空が広がり、赤や黄色に色づいた葉が北風に舞う中、手をつないで土手散歩に出かける子どもたち。歩くたびに足元から聞こえる落ち葉の音を楽しみながら、落ち葉や木の実を集めます。それを毛糸に通してネックレスを作ったり、枝に毛糸を結び付けて釣竿を作ると、友達が落ち葉の魚を毛糸に通して魚釣りを楽しみます。

 土手沿いでは、真っ赤に実ったクコの実を集めたり、夏には土も乾燥してなかなか抜けなかった大根が、土は朝露で湿って柔らかく、身も白くて立派になったので収穫を楽しめるようになりました。
 そして野原につくと、年長児が声をかけ、ケイドロ(おにごっこ)が始まります。以前は、担任が中心となってチーム分けやルールの確認を行っていましたが、ここ最近は、年長児がアイディアを出し合い、それらを決める姿が見られます。例えば、チーム分けも「ジャンケン」「男女」「一試合ごとに役割を交代する」「どうしても鬼がいいという桃色さんを説得したり、譲ったり」…など、色々な組み合わせを考え、始まる前に「エイエイオー!」と掛け声をしてチームの一体感を楽しんだりしています。
 また、年長児は、土の上に目印となる木や看板、宝のある場所を描いて作戦を立て、それを友達と共有しようとする姿も見られます。友達が転んで泣いてしまうと、「タイム!」とおにごっこを中断し、駆け寄ってハンカチで涙を拭い、「大丈夫?」「どこが一番痛い?」「痛いのが収まるまで座っているといいよ!」など、心配して声をかけてくれます。

 お部屋では、ここ最近楽しかった体験が遊びとなって繰り広げられます。音楽会の劇を子どもたちが人形劇にして上演をしたり、サークルのお母さま方が見せて下さった操り人形をまねて、人形に紐を結んでみたり、積み木を積んで板を‘鉄板’に見立てお庭にある釜戸を作って、赤い布の中で焼いた焼き芋を振舞ったり、具体的に再現していく様子に子ども達の成長を感じます。そして60周年記念のモチーフとなっていた大きなりんごの木はとても印象に残ったようで、子どもたちの描く絵にたびたびでてきます。

 日々の生活には、小さな感動がたくさんあるように感じます。
力を込めて抜いた大根の大きさに驚いたり、落ち葉の色が「綺麗!」とうっとりしたり、転んで痛かったけど友達が慰めてくれたり、その時々に喜怒哀楽を見せる子どもたち。
 12月になると、幼稚園では、蜜蝋のろうそく作りや毛糸で作る織り機など、繰り返しの小さな積み重ねが自分だけの作品になるような体験もまっています。
子どもたちと共に、心がわくわくする時間を過ごすことが楽しみです。

空組担任 今井奈津子

2012年11月30日

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