未就園児クラスはこの五月から、広く嶺町幼稚園を知っていただくこと、そして未就園の小さなお子さんを育むお手伝いの一端を担うことを目的に始まりました。いまだに手探りではありますが、様子をお知らせしたいと思います。
登園時には親子クラス・子どもクラス共に、台所でのおやつ作りが始まっています。いつも同じ手順のことが、目の前で起こる。それが子どもたちには安心材料になります。二歳児クラスではお手伝いをする子どももでてきました。
並行して、隣の部屋では室内遊びをしていますが、ここにもそれぞれにお気に入りがあって、ままごと、お買物、魚釣、電車、バスごっこ…見立て遊びをたくさんしています。この時期、大人がする一挙手一投足が大変重要だということも感じます。赤ちゃん人形を本当の赤ちゃんのように抱きかかえたり、あやしたり、ごはんをあげたり。積み木をかごにしまうとき、投げいれるのか、そっと置くのか。子どもたちにとって、親御さんや教師の存在が密接であるだけに、このことは心にとめておくべきことでしょう。子どもたちは周囲はすべて善だと信じています。だから真似したくなるのです。人に成っていくための大事な力です。
お片付けをしたあとは、みんなで丸くなって朝のあいさつをします。短い時間ですが、歌遊びができるようになりました。
帽子をかぶるのは外遊びの合図です。二歳児の身体にはまだ大きいおもちゃのかごを砂場まで、一生懸命運びます。時折、在園児と庭で出会いますが、藤色さんはもちろん、赤色さんも声を掛けてくれます。もうおやつだというのにお部屋に入らない子どもを、藤色さんが連れてきてくれたり、上履きをはかせてくれたりします。
汚れた服をお着替えすることやおむつ替え、トイレは大事な習慣です。身綺麗にしておやつを楽しみます。そしてこの時間が一番静かな!ひとときです。
お帰りの歌を唄うころ、子どもたちの表情は複雑です。
「お母さんに会える!」だけど「もう帰るの?」
こんな思いが次回への期待になります。
親子クラスでは、お母様方が笑顔で帰る姿を門から見送ることが大変嬉しいです。子どもたちと同じように、お母さまの緊張も解けてきました。
私は、未就園児クラスの保育室を通る風が、週を追うごとに暖かさを増し、心地良くなっているように感じています。子どもたちがその心地良い空気の中で安心し、心と身体が育まれていくことを願っています。
未就園児クラス担当 平林美和