ゴールデンウィーク明けから、3歳児クラスでもお弁当が始まり、本格的な幼稚園生活がスタートしました。土手にお散歩に出掛けたり、絵の具やまほうの踊りをする日があったりと、5月は初めてのことがたくさんありました。
星組ではお部屋遊びの時間になると、アイスクリーム屋さんや、パン屋さんが開きます。準備の時にはついたてのカーテンが閉まっていて、向こう側ではお店の子どもたちが、棒に毛糸のひもを巻きつけて、せっせとアイスクリームを作ります。準備が出来たらカーテンを開いて『アイスクリーム屋さんです。』と声を掛けるとお客さんがやって来ます。お店の人は、お客さん一人一人にアイスクリームを手渡し、お客さんがいなくなるとカーテンを占めて(その頃にはもう夜なので)お店の中にあるベッドで眠ります。
それから、ついたてに囲まれた大きなお家に、何人かの友達と住んでいる子もいます。ついたての上の方に大きな洗濯バサミがついていて、『ピンポーン』と言いながらその洗濯バサミを下に滑らせると、中に居る人が『はーい。誰ですか?』と返事をしてくれます。自分の名前を言って入れてもらう子もいれば、シルクのベールと冠を付けた女の子たちは『お姫さまです。』と言って入れてもらっていました。
お部屋の中で、子どもたちが自由に遊んでいるように感じられますが、実際には、楽しく遊ぶための小さなルールのようなものが、子どもたちの世界にはあります。アイスクリームさんでは、お客さんがたくさんいたら、順番に並ばなければいけないし、アイスはひとり1本ずつ。お家には、ピンポンを押せば誰でも入れてもらえますが、うっかりピンポンをしないで入ろうとすると、お家の人にひどく怒られます。
アイスクリームをもらって嬉しくなったり、ピンポンを押さないで『勝手に入らないで!』と怒られたり、友達と一緒に過ごす中で、子どもたちはいろんな気持ちを体験しながら遊んでいます。私たち保育者は、子どもたちの気持ちに寄り添いながら、その場の状況にふさわしい言葉掛けを伝えたり、新しいアイデアを提案して、子どもたちの遊びがより豊かになっていくように配慮しています。
星組担任 青木綾子