入園・進級してから3週間が経ち、もうすぐ風かおる5月を迎えます。喜びや不安、様々な思いで胸を膨らましていた子どもたちも、少しずつ新しい環境に慣れ、友達や遊びにも目を向けられるようになってきました。
毎朝の担任との挨拶では、元気いっぱい自信に満ちた顔の藤色さん、まだちょっぴり照れた様子の桃色さん…ひとりひとり様々な表情を見せてくれています。
室内遊びでは、藤色さんはベンチやテーブル、また引き出しの取手までも使って乗り物や家に見立て、ダイナミックに遊び始め仲間遊びを楽しんでおり、保育室内に電車や家、お店など思い思いの遊びが展開されています。桃色さんはそんな藤色さんの様子をじっと見入っていたり、自分でおもちゃを持ってきて顔なじみの友だちと見立て遊びをしています。そしていつの間にか藤色さんの仲間に入って遊ぶ姿も見られるようになってきました。ある日、藤色さんが木の棒の先端に布を巻きつけ紐でしばり、“ほうき”に見立て家の中を掃除していました。すると翌日…、桃色さんが棒、布、紐を持ち、「先生、ほうき作って」と嬉しそうに近付いてきました。藤色さんがしているのを見て、おもしろそうだな、すごいなと思い、真似ようと思ったのでしょう。作ってあげると、藤色さんと同じように家の中の掃除が始まりました。桃色さんが藤色さんのように、藤色さんはお母さん、お父さん、先生のように、僕も私もやってみたいと思う気持ちが増え、手足が発達し、心の成長、自信へとつながっていくのでしょう。これからも、子供たちのやってみようとする気持ちが育つよう、環境を整えていきたいと思います。
藤色さん、桃色さんの縦の関わりの中で、喜びを分かち合ったり、ときにはケンカしたり…多くの体験を通し子供たちが共に育ち合っていけるよう、保育に励んでまいります。
大地組担任 本居礼子