子どもたちはいつもとは違う環境に身を置いたことで、基本の生活が居心地よく当たり前に過ごしていたことを改めて感じていました。というのも2 週目辺りで、「空組ではこうだけど」とぼそっというのです。なるほど、お片付けひとつとってもクラスの流れがあります。それに気づいたし、そのうえで順応しているんだと、驚きました。同じ頃「そろそろ(自分のクラスに)帰りたい」という声がチラホラ聞こえてきましたが、当然といえば当然です。しっかり土台が作られていたからこその声です。乳児期の人見知りと、似た状態でしょう。かと言って今は幼児期ですから、年齢別活動からは楽しさもたくさん生まれました。違うクラスの文化、新しい刺激を受けて、普段していた遊びに広がりがありました。おはじき、あやとり、草すべり、円周リレーに始まって、生活感あふれるごっこあそびが長い時間楽しめたり、素話の桃太郎になったり、イルカショーのイルカになったり…イメージを膨らませながら遊ぶという、年中児ならではの姿がありました。
こんな経験から、子どもたちは変化を受け入れた自分に、可能性のような明るい意識を感じたことになったと思います。楽しかったという実感、悔しかったという実感から始まる心の気付きが、今後も増えていく幼児期後半です。これからも成長の段階を一つ一つ上がっていきましょう。
年中組担当 平林美和